リストラ宣告の屈辱に耐えながら転職を成功させるための3つの行動

2020年に向けて、40歳以上をターゲットにした早期退職募集や大規模リストラの状況が苛烈を極めてきました。企業は収益改善のためにこの世代を完全にターゲットにしてコスト削減を狙っていると言えましょう。一方、就職氷河期に社会人になったロスジェネ世代は、アルバイトから仕事をスタートした人も多く、きちんとしたスキルやキャリアが構築できていなかったり、時代の流れでスキルが陳腐化してしまっていたり、以前よりも体力気力が衰えて、この厳しい社会情勢に足がすくんでしまっている人も多いかと思います。かくいう筆者も、年の瀬、それもクリスマスの日に8年間勤めた会社から契約終了を告げられ、失意のどん底に沈んだ経験があります。

じっとしていても事態は悪化するだけ

しかし、だからといって下を向いていても事態は一向に改善しません。むしろ悪化するばかりです。このご時世40代以降のキャリアのない人材にヘッドハンターなど来るわけもなく、税金や年金が明日からゼロになるわけでもなく、待っていても何も始まりません。また、20~30代の頃とは比較にならないほど厳しく狭き門になってしまっている転職市場で勝ち残るには、ぼんやりしている暇など1秒もありません。

元気を出しても再び何かが起き、また傷ついてしまう悪循環、わかります

それなのに、どうしても元気が出ないことってあるんですよね。その気持ち、わかります。今まで自分の一部だと思っていた会社組織から突然NOを突きつけられるショック、悲しみ、今までの努力はなんだったんだという虚しさ、これからどうなってしまうのだろうという恐怖と不安、そういった感情が、何かをきっかけに毎日のように何度もなんども湧き上がってきて、前向きに行動するエネルギーをじわじわと奪い去っていく、まるで蟻地獄でもがいているような悪循環になりますよね。
実際筆者は、だんだん若手に仕事を取られていく状況からなんとなくお払い箱になる未来を自ら察知し、一体いつ肩たたきの声がかかるのだろうという不安を半年ほども抱えながら、恐怖の中仕事をしていました。ダモクレスの剣がぶら下がっているような不安と恐怖の日々でした。そしてクリスマスの夜、クビを告げられた瞬間、ひどいショックを受けながらも、どこかでほっとしていたのを覚えています。それぐらい、ずっと続く不安な状態、不安定な状態、高ストレスな状態に置かれながら、同時に次の何かのために行動を起こすというのは、しんどいことなんですよね。

悲しみのアリ地獄から抜け出そう

それでも、やはり少しでも早く行動したほうがいいです。殺伐としてしまった世の中や腐敗した政治に文句を言っても、全然わかってくれない勢いのある若い世代を批判しても、状況は何一つ変わりません。そして、まだチャンスが全くなくなったわけではないのです。ならば、悲しみの蟻地獄の砂に黙って埋もれてしまう前に、知恵を働かせてこの苦境を脱出するアイデアを編み出しましょう

そこで、今日は、追い出しの屈辱に耐えながら、なんとか転職活動を成功させるためにするべき3つのことをご紹介します。ただの転職でさえ大変なのに、日々職場で孤立・疎外感・自信喪失のダメージを断続的に食らいながら行う転職活動、それはもう企業戦士レベルでいれば、名人・マスター・老師の域の高度技術と言えるでしょう。

自分は今、戦場にいるのだとイメージする

労働市場は今、戦場です。マネーゲームです。今あなたは企業戦士。そうイメージしてみてください。「ブラックA社脱出作戦」など、何かゲームっぽいネーミングをつけてもいいでしょう。ですから、戦争のない平和な状態で通用するノウハウやアドバイスは使えないことが多い、ということを理解しましょう。スピ系のアドバイスや、今のままでいいとかいう啓発本に安易に逃げてはいけません。今、間違いなく給料という経済活動における危機的状況にあり、周りに援軍もあまりいない状況で、一人活路を探し生き延びようとしているのだ!という覚悟を持ちましょう。なぜなら、戦場では「生き残る」「勝つ」という強い気持ちがあるものだけが勝者になる可能性を持つからです。その上で、ダメージに対して下記のように対処します。

落ち込み=悪ではない。でも、ぜったいに人前では落ち込まない!

悲しいことがあったのに無理して明るく振舞って前向きな笑顔を作っていると、確実に数ヶ月以内に精神が不調になってくるでしょう。それは、交通事後にあってわき腹に傷ができ血が出ているのに何にも治療をしないで放置しているようなものだからです。これでは治る傷も治りませんから、まずは「これは、心のダメージを受けているな」と素直に受け入れましょう。実際に、心がダメージを受けると、脳に損傷ができるという研究結果も出ています。
悲しみやアイデンティティの喪失は、心の傷ですから、体の損傷と同じくゆっくりと治癒させなければなりません。心理学的には、悲しみや喪失はグリーフワークと呼ばれる自然治癒のプロセスを減ながら、少しずつ修復されていくことが報告されています。ですから、心がとても痛いのは、ごく自然なことだと受け入れましょう。

とはいえ、この先ずっと寝ていられるわけではないですよね。せめてインフルエンザなら、5日間法律で定められた休日が与えられますが、心に受けたダメージは誰にも見えませんし、今の仕事はそう簡単に休めません、それに、めそめそ泣いてばかりもいられない。就職先を探さないといけませんよね。
だから、こう考えましょう。ここは戦場なので、敵の前(職場)では弱みを見せられないのだ、と。外では、まるで傷などないように強気で振舞う(痛いけど)。そして、家族の前や、行きつけの店、ありのままを見せられる誰かの前でだけ、思い切り落ち込んでもいいとしよう。そうした安全な場所で被った傷をできる限り手当する、と。
この緊急治療の時間をある程度でも確保すれば、断続的な精神攻撃を受けていても、この戦いの終わりまでなんとかして生き延びることができるでしょう。

完全な治癒は戦いが終わってからやればいい。

もちろん限られた時間では完全に回復することはできないです。自信喪失にもなりますし、人間不信になったり、やり場のない怒りに震えることもあるでしょう。それでも、今は戦場にいるのですから、次の戦いの為の緊急治療にとどめなければならないことを、受け入れましょう。
筆者はラグビーファンですが、2019年のラグビーワールドカップで活躍した「笑わない男」稲垣選手(ガッキー)の凄さをここでご紹介したいと思います。稲垣選手は国内社会人リーグ(トップリーグ)のある試合中に額から流血をしました。しかし彼は応急処置だけをして数分後にはまたスクラムの最前列に復帰しました。そのあとまたしても同じ場所から流血しましたが、再び軽い応急処置をしただけで、再度試合に復帰していました。笑わない男だって、もちろん痛いはず。でもなぜ試合に復帰するのか。それは今が戦闘中・試合中だからです。勝ちたいからです。アドレナリンが出てるからです。
ガッキーのように、たとえ傷を負ってもこの戦いを勝つのだ、生き延びるのだという覚悟を決めましょう

思考切り替えのテクニックをマスターしよう

とは言っても、職場で繰り返し襲ってくるダメージは、すでに満身創痍の心身にはこたえるものです、そんなとき(つまり戦場で)は、いかに素早く体制を立て直して戦い続けるか、が重要。ですから、ダメージを受けた時の回復技術を身につけておきましょう。筆者のオススメは次の2つです。
ストレスからの回復の強さを「レジリエンス」と言いますが、あくまで今は「ブラックA社脱出作戦」の任務遂行中ですので、完全回復ではなく緊急麻酔のようなイメージです。

トイレの個室でカエル跳び30回、バンザイを1分、窓の外を見る

誰も見ていないトイレの個室でカエル跳びを30回します。すると心拍数が急激に増加します。心肺機能にある程度の負荷をかけることで、ストレス耐性が増すという研究結果が報告されています。これを利用します。
次に、バンザイのポーズを1分。このポーズは、洋の東西を問わず、勝利した人間が無意識にやってしまうポーズで、逆にストレス下の局面でこのポーズをすれば、血流内のストレス物質(コルチゾール)が減少し、その後相手に与える印象がポジティブに変化することが研究で報告されています。
最後に、トイレからの帰り道で、窓の外を少し見ます。その際、左右・上下に10回位ずつ視点を激しく動かします。これによって、思考の切り替えが促進され、傷つき体験にフォーカスしていた注意が別のものに切り替えやすくなります。

いやな思考を考えないことを新たな習慣に

落ち込んだら寝る、これはいいのですが、くよくよ考えることは心身の状態をどんどん悪くします。そこで、いやな思考にとらわれ出したときに「あ、今いやなことを考えてばかりいるな」と気づくことを習慣にすると状態悪化を食い止めることができます。これだけで、くよくよする後ろ向きの時間にエネルギーを無駄にしてしまう確率が大きく減ります。
通常、人間は心の中で1日に何万回も無意識に思考を生み出していますが、その思考について考えが及ぶなんて、よほどいやなことがあった時ぐらいではないでしょうか。そういう意味ではストレス下にある人は、悪習慣を断つためのたいへんラッキーなタイミングを得たと言えます。
いやなことを考えないためには、いやなことを考えてばかりいても意味がないことを理解する必要があります。こちらのサイトなどを参考に、理解をふかめましょう。
そして、その思考に振り回されずに、気分が良くなる活動・方法をいくつもポートフォリオとして持っておきましょう。これをストレスコーピングと言いますが、自分の気分が晴れる方法をたくさん持っていれば、気分の切り替えがだんだんうまくなりますし、そのリストがあるだけでも安心感を得られます(戦場の防弾チョッキのようなものです)。

オフィスですぐできるストレスコーピングの例
目薬をさす
姿勢を正す
深呼吸をする
少し目を閉じる
肩甲骨を動かす
トレイに行く
コーヒーを飲む
コンビニに行って好きなものを買う・・・

今こそ睡眠、食事、運動が重要

睡眠時間を7~8時間確保しましょう。ニュースの政治批判の掲示板やリストラ悩み相談サイトを巡回して夜更かしするよりも、早めに布団に入って睡眠時間に変えてしまう方が、心の回復は格段に早まります。
ストレスで食欲が落ちる・あるいはスナック菓子などを暴食したくなるなどの状態に陥りがちですが、こんな時こそ肉や野菜をたくさんとりましょう。特に、腸内環境を悪化させないことを念頭におきましょう。腸内環境を整えるとストレスに強くなる研究結果が報告されています。
運動は、HITのような簡単な運動でも十分です、とにかく動くことで気分は驚くほど晴れます。
普段から心がけていなかったこうした習慣に取り組むチャンスをもらったと思って、ぜひ次の日の新たな戦闘に備えてください。

たった2週間のHIT・1日1万歩で痩せた!中年太り解消ダイエットレポート

最後に・この苦しみが終わったら絶対強くなっている

この記事をここまでお読みになった方へ。追い出される雰囲気の職場のなかで、退職を待たれながら敗北感・自信喪失・不安・恐怖・怒り・落ち込みと戦っておられることと思います。どうか、転職活動を成功させる日が必ず来ると信じ、強い気持ちでこのハイレベルなゲームをクリアしてください。
きっとすでにたくさんの傷を負い、相当な深手も受けていることでしょう。なんとか転職に成功した後、あるいはある程度の妥協や挫折を余儀なくされた後、それらの傷が完全に癒えることは決してないかもしれません。傷だらけのままなんとか生きていることになるかもしれません。それでも、間違いなく経験値は上がっているし、次はよりレベルの高いゲームに挑戦できる自分になっているはずです。筆者は傷つきながらも立ち上がり未来を開拓するあなたの勇気を讃え、心から応援いたします。

image by: Pexels  Pixabay による写真