【40代中年の転職実話】転職回数の過少申告が、エージェントにすぐバレた怖い理由とは

40代後半の筆者は、これまで様々な転職をしてきました。決してやめグセがあるとか問題社員だったっていうわけではないと自負しておりますが、普通に40年も生きていますと、信じて入った会社が超ブラックだったり、家族の問題で離職せざるを得なくなるなど、やむを得ない様々な事情で何度か転職をせざるを得なくなるものですよね。
職歴が多くなると、転職に不利」ということは、採用担当をしていた経験もありますからもちろん認識していますので、8回を超えてしまった自分の転職回数には本当に困りました。それでもなんとか採用を勝ち取ってきた経験談を、「転職回数を粉飾・過少申告した先に待ち受ける地獄」の実話とともにお伝えします。

そもそも、転職回数は何回までOK?

年齢、職歴、転職回数、性別、外見など、転職には見えないハードルが立ちはだかっているように感じます。気のせいでしょうか。いいえ、おそらく決して気のせいなどではないでしょう。日本の採用市場では、名前も性別も生年月日もすべて書かれた経歴書をもとに取引が行われているためです。海外ではすでに、写真や年齢は非公開が原則で、シンプルに「その仕事が務まるか」という点のみで評価選別が行われるようになっていますが、ここは、残念ながらいまだ古臭い日本。おそらくあなたの年齢も、職歴も、性別も、見た目も、そして転職回数も、面接前に人事担当者の先入観を形成してしまっているはず。
転職回数は何回までなら大丈夫、とか、何回以上ならNGという悩みをよく聞きますが、「20代は3回、30代は5回以上」とされています。40代は、回答にすら上がってこないのですね。おそらく「よほどの経歴でなければ採用しない」ということでしょうか。
出典:転職ノウハウ – 何回まで転職OK?

とはいえ職歴が増えてしまったものは仕方がありませんので、ひたすらそれぞれの離職理由や在職期間の意味・理由を一つ一つ丁寧に説明できるように準備しておくことで対策するだけです。実際、筆者の場合、45歳・8回の転職歴を正直に伝え、無事正社員での内定をもらった成功経験があります

中には安易に「職歴を過少申告すればよいじゃないか」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は職歴を少なくごまかすと、後戻りのできない致命的な事態に陥る恐れがありますので、絶対に転職回数の過少申告はオススメしません。そのピンチとは一体何か、なぜそうなってしまうのか、今から詳しくご説明します。

8回=>5回に減らしただけなのに、転職活動が大ピンチに!

筆者が43歳の友人と飲みに行っていた時のこと。その時、友人はちょうど転職活動を始めたばかりでした。大手新聞記者でキャリアを始めた彼は、その後独力で数々の難関資格を獲得し、まったく別分野への転職を複数数回繰り返していました。アメリカ育ちで英語に強いうえに、一流企業で社会人スタートした彼は、信じられないほどの楽観主義者で「仕事なんていくらでもある」が口癖でした。

そんなスーパーポジティブな彼でしたが、このご時世の40半ばでの転職ではどうも今までとは勝手が違ったようで、すこし苦戦しているようなことを話していました。
事件が起きたのは居酒屋の支払いを終えて店を出てきた時です。彼のスマホが鳴りました。

「はい、○○です、あ、そうです・・・え?・・・転職ですか?・・・いえ、そんなことないですけど・・・え?そうなんですか?・・・あ、いや・・・すみません、はい・・・はい・・・申し訳ありません」

5分ほど言葉少なくやりとりが行われました。みるみる彼の顔が青ざめて行くのがわかりました。重い通話が終わったあと、彼にどうしたのか聞いてみました。

「転職エージェントに登録する時に、どうせわからないだろうと思って転職回数を3つほど少なく書いて、その分在職期間を年単位で伸ばしておいたんだけど、ばれちゃった

「え?どうしてばれたの?」

「担当者は最近この転職エージェントに入社した人なんだけど、たまたま前職の同僚から俺の話を聞いて、内容が変わっていることを知ってしまったらしい。それで、虚偽の経歴を申告される方には今後仕事を紹介できかねます、と言われちゃったよ、どうしよう」

「えええーーー!!?」

・・・・・。

結局彼は、その後別の転職エージェントに正直に登録し直し、なんとか再就職を果たしました。それにしても、別の会社に求職者情報を漏洩するなんていうことがあって良いのでしょうか。

そこで、実際に転職エージェントに就職した知人女性に質問してみました。すると答えは「表向きは、ない。表向きにはないけど、実際この業界は、横移動(同じ業界内で転職)する人が多くて、お互いの持っている人材情報を知り合いと紹介し合うことも多いよ。その時にもし違う経歴内容を申告していると、多分ばれちゃうね」とのことでした。
ですから、当然ですが、嘘は絶対にやめたほうがいいです。

さて、もっと怖い話をしましょう。

実は「何もかもまる見え」と思ったほうがいい(全部、ITのせいだ)

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

2019年、某新卒就活サイトが「内定辞退可能性」という個人を勝手に分析したデータを企業に売りさばいていたことが明らかになり、社会問題になりました。そもそもなぜあのような情報分析ができたのかといえば、Webサイトを管理している側は、Cookie情報などを解析することで膨大な量のプライバシー情報にアクセスすることができるためです。

いまだに個人情報保護法とかいう童話を信じてるピュアな人もいるかもしれませんが、すでに名前以外ならほぼ全てが紐付いて把握されていると思っていて、間違いありません。ではあなたの何がバレているのか?例えば、次のようなものです。


あなたの年齢、性別、年収、住所、電話番号、メールアドレス、通勤ルート
あなたのSNSアカウント名、顔写真
最近見たサイトやアプリ、いつもよく見るサイトやアプリ
あなたの仕事のPC、プライベートのスマホ、タブレット

そう、あなたが恋人探しをしているあのアプリや、夜中に楽しんでいるあのサイトも、全部ばれていますね。

あなたがなんらかのサイトやアプリを訪問すると、Cookie(クッキー)という情報がくっつけられます。何も知らずにいろんなサービスを利用していると、そのCookieは足の裏の泥のように、次々とくっついていきます。プレゼントキャンペーンの申し込みフォームに書いたメールアドレスや年収なども、暗号化されてくっついていきます。
2020年現在では、そういう何億というユーザーのCookie情報を一つのサーバーに保管して、まるでジグソーパズルを完成させるように、ユーザー一人一人のペルソナ情報を特定してしまう恐ろしいサービスが存在します。こうしたユーザー解析サービスに参加している企業は、「サービス向上」を大義名分にユーザー規約を書き換え、ユーザーにはCookieの第三者への提供に同意させます(恐ろしく長くて小さい字のユーザー規約改定がそれだったりします)。そして日々せっせと許可済みで集めたユーザーのCookieを解析サービスへ送信し続け、同時にその解析サービスに参加している他社の集めてきた膨大なCookie情報と紐付けた個人情報を活用しているのです。

もちろん建前上名前は隠されてます。名前はね。でも、たまたま名前とメールアドレスが紐付いた情報を管理している会社が、名前のないあるメールアドレスに紐付いた様々な情報を閲覧したとしたら、それはもう名前がバレているのに等しいのではないでしょうか。すでに名前以外のこれらのものが、知らない大勢の他人に握られてしまっています。まさに頭隠して尻隠さずです。名前が紐付かないあなたのデータの断片が、ネットの海には無数に泳いでいて、「あなたの名前と何か」を知っている会社がその「何か」を手がかりに個人情報をすくい取ろうと網を仕掛けまくっているのです。

実際、筆者は、仕事でこうした解析サービスの企業のプレゼンを聞いたことがあります。目の前で、なんらかのサービスにお問い合わせしてきたある人物のFacebookアカウントが「参考までに」と晒されるデモンストレーションを目撃し、実に恐ろしくなりました。あまりに恐ろしいので契約はしなかったのですが、数ヶ月後に仕事中にこの解析サービスが話題に出た時、久々にその企業のホームページを訪問したんです。そうしたら、3分もしないうちにオフィスに筆者あての電話がかかってきたんです。
「以前はお越しいただきありがとうございました。先ほど弊社のホームページをご覧になっていたようですので、何かお探しでしたらお手伝いをと思いまして早速ご連絡させていただきました」と見知らぬテレアポ担当者。この人は、もしかしたら私のFacebookも年収も知っているかもしれない。そう思うと寒気がしました。

本題に戻りましょう。想像してみてください。
転職活動中の人が、こうした情報をエージェントに解析されてしまったら何が起きるか。口コミサイトに前職の会社の悪口を書き殴っていたり、アブノーマルなサイトを頻繁に訪問していたり、匿名サイトで誰かを口汚く罵ったりしていたら、なぜか書類で落とされて面接に進めない・・・そんな未来が、すぐそこまで来ているかもしれませんし、もう来てしまっているのかもしれません。転職回数はもちろん、普段の人間性にも裏表のないように、くれぐれもご注意を。

IMAGE: Andrey KochubeyによるPixabayからの画像